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2020/08/18

沖縄の経営コンサルティング会社 カナイ経営支援研究所 ブログ ~枠を飛び越えるということ~

*:沖縄タイムス社の2020年4月26日の紙面「オフィスの窓から」に掲載された当社代表のコラムについての補足投稿です。 人は、良くも悪くも社会や組織の中の限られた枠の中で暮らしています。 安定や安心を求める時、自ら枠を作りその中に納まったり、社会や組織が決められたルールにおいて枠を与えたり、様々な枠がありますが、大きな成長を求める時、その枠を越えなければなりません。 社会や組織から与えられた枠が広がるのを待つよりも、自ら枠を広げたり、越えたりすることが大切だと感じています。 自ら広げたり越えたりするには、勇気やパワーが必要ですが、広がった枠から得られる新しい世界は、人生の豊かさにつながると確信しています。 経営においては、枠を広げてあげるのではなく、組織のメンバーへ自ら枠を広げる機会を提供し、それを促すことが重要だと考えています。 その様な企業文化を持っていることが、大きく成長する組織の必要条件であることに間違いはないでしょう。 === 沖縄タイムス社 2020年4月26日紙面「オフィスの窓から」 === 「あなたの本業は何ですか?」私が問われて一番答えに困る質問だ。 20年間IT業界にお世話になり、今でもIT関連の会社やNPO法人の役員を務めているので、軸足の一つが「IT」であることに間違いはない。問題はもう一つの軸足だ。 中小企業診断士という肩書の下、経営コンサルタントという名目で泡盛のブランディング事業を立ち上げたり、泡盛メーカーの経営支援を行ったり、その他、自治体の外郭団体の立ち上げのお手伝いや補助施策の企画立案のお手伝い、創業者支援や融資・補助金・クラウドファンディングなどを活用した資金調達、業務改善、中小企業の事業承継支援・M&Aの仲介など、まさに何でも屋という状況である。 元々、「来る仕事は拒まず、役に立てることがあれば何でもやる。」という考えで取り組んでいたが、あくまでもIT業界での仕事のことで、業界の外の新しい世界へ自ら足を踏み出し、仕事の幅を広げることは無かった。きっかけは、東日本大震災。震災発生1,2か月後、当時勤めていた会社のCSR担当者から「震災直後、被災地の避難所で小学生の子どもたちと一緒に描いた数百枚の絵を絵本にしたり、展示会をしたりしたいので協力してほしい。」と相談が来ているという話を受け、出会ったのが蟹江杏という版画家。真っ赤なワンピースに大きな麦わら帽子といういで立ちで品川のビジネス街に異彩を放って現れた蟹江は、異界への先導者のごとく私の世界、視野を広げてくれた。津波に今にも飲み込まれそうな家や流されていく家族、復興した未来の被災地など、子どもたちが描いた胸を締め付ける絵とともに、蟹江を中心に集まったグラフィックデザインの先生、TV制作会社のディレクター、会社役員、そして多彩なアーティストたち。立ち上げたNPO法人311こども文庫の活動は、毎年の被災地の子どもたちの絵の展示会、絵本の出版、被災地への絵本の文庫の設立運営、子ども向け体験型アートイベントの企画運営など、蟹江と二人三脚的に活動の幅を広げていった。それまでのビジネスでの経験と姿勢が異界でも活きること、新しい世界へ飛び込むことの意義と価値を体感し、今の活動や姿勢につながっている。「本業は何ですか?」何者でもでもない私なりの視点で思い思いにいくつか綴っていきたい。 === *:NPO法人311こども文庫 http://www.311bunko.com/